有明海におけるノリの酸処理と海底底質の変化及び of 諫早湾干拓事業推進連絡本部

洪水調節機能への影響洪水調節機能への影響
諫早干拓地や周辺農地での営農への影響諫早干拓地や周辺農地での営農への影響
拡大してきた背後地農地の裏作・転作へも影響拡大してきた背後地農地の裏作・転作へも影響
農地の塩分濃度への影響農地の塩分濃度への影響
調整池の生態系への影響調整池の生態系への影響

有明海におけるノリの酸処理と海底底質の変化及び漁場環境悪化の関係

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開門したら大変だ!!
地域住民の悲痛な叫び 1~6

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有明海におけるノリの酸処理と海底底質の変化及び漁場環境悪化の関係

  • 有明海の漁場環境の悪化については、沿岸地域の都市化による影響を始め、筑後川大堰建設の影響、ノリの酸処理と大量施肥の影響、大量の採砂、熊本新港造成の影響等、有明海全体での様々な要因に起因するものであることは、既に常識化しており、諌早湾干拓だけが一人悪者扱いされる理由がないことは明白である。有明海の漁場環境の悪化については、有明海全体で考え、対処されるべき問題である。

  • 諫早湾干拓との関係については、平成13年のノリ不作に伴う短期開門調 査を含む総合調査においても干拓が漁業環境悪化の原因となっていないことは、明らかにされている。また、このことは、佐賀地裁原告団が干拓工事、差し止めを求めた仮処分命令申立に対する福岡高裁及び最高裁決定においても明確に干拓工事との因果関係はないとされており、現在においても、その決定が維持されているところである。

  • また、平成元年以降、平成19年までの有明海の主要な漁業生産量の推移を見ていると別表の通りとなっており、ノリとアサリ貝の漁獲量は潮受堤防締め切り後も平成13年度の不作はあったものの、その後は順調に推移している。唯一、漁獲量が減少しているのは、タイラギであるがタイラギの減少については未だその原因が明確化されていないが、何と言ってもタイラギが生息する海底底質の変化が最も密接な関係を有していると見るのが自然な見方ではないかと考えられる。

  • この海底底質の変化に少なからず影響を及ぼしていると想定される要因の一つとしてノリ網の酸処理の影響が考えられる。この酸処理剤の使用量は最近では、有明海海域で年間3500トンを超えており、その大半が回収されずに投棄されているとも言われている。この酸処理剤が有明海の漁業環境に及ぼす影響は極めて重大であると考えざるをえない。

  • そこで酸処理が行われているノリ漁場内とその周辺のタイラギ漁場内及び、それ以外の海域における海底底質物の比較を徹底して検証する現地調査について調査ポイントを湾外部分についても方法書骨子の59ページに記載されている追加調査4ヶ所から4県海域の全てから選定し、全体で数10ヶ所に増加し、調査期間も複数漁期に亘って十二分に確保して実施し、酸処理と低質変化及びタイラギ不漁との因果関係を明確にするよう関係する諸要因との関連も踏まえた精度の高いアセス調査の実施を強く求める。

  • この調査は現状調査の一つとし新たに形成されつつある自然環境や干拓農地等へも壊滅的な影響を及ぼすことなく、実施できるものであり、今後の有明海の漁業環境改善の為にも最低限必要な調査でもあるので是非実施を求めたい。

  • なお、開門すれば諌早市民の安全安心が損なわれることや背後地の底  平な農地に排水、塩害などの被害の恐れがあること、新干拓地の農業が成り立たなくなり、また排水門を出入りする激流が周辺の漁場に甚大な影響を与えること等は必至であり、我々は排水門開門調査を許すことはできないわけで断じて反対である。

諫早湾防災干拓推進連絡本部